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NO.28

ヘドロに消えた区民の税金２０億円！

「上野原スポーツ・学習施設」計画は消え、負債が残った

◆不始末の責任はとらない

昨年12月、中野区教育委員会は「上野原スポーツ学習施設(仮称)」の計画を正式に断念しました。平成2年(1990)、土地取得に動き出してから実に10年以上、区民の血税を注ぎ続けながら「120億円をかけたスポーツ施設を区民のために作ります!」と宣伝し続けた「上野原計画」は消え、この無駄な投資は、私たちに年間1千万円以上を払い続ける「負債」を残しました。

◆「危険な土地」を、区は反対を押し切って購入

　風致地区で一般住宅にもならず、所有会社は暴力団との絡みもあり、買手の付かなかった土地の大半は砂利採掘場でした。中野区は26ヘクタールのこの「危険な土地」を、オール与党体制の神山前区長のもとで、議会の多数決で購入決定しました。区は真剣に調査･検討もせず、区民から出された反対陳情も監査委員会によって否決されました。私はその時の議会(1994年7月4日定例会)でこう発言しました。「神山区長さん、私近藤が過去4年間にわたって(上野原土地取得に)慎重論を唱え、撤退を進言し、反対論を述べてきたことを、いま一度思い返してから署名捺印してください。歴史は必ず過去を明らかにし、真実を示してくれます。そのとき責任は個人、神山好市にあるのだということを繰り返し繰り返し噛みしめながら署名捺印してください」私は預言者ではありませんが、結果は目に見えていました。この土地取得を決断した神山前区長は、昨年4度目の退職金(総計1億円以上)をもらって退職しました。

　土地取得後も問題は山積みでした。雨が降れば大きな水たまりができ、水道も道路も整備されない土地の一部をなんとか平らにして、区は「上野原の区民の活用を!」と呼びかけ続けました。現在この土地は、相模湖の底から引き上げたヘドロの処理場所となり、大型トラックが頻繁に行き来しています。

　最近では前京都市長が「税金による無駄なゴルフ場の購入」で住民に訴えられ、高裁から26億円の個人賠償を命じられた例もあります。

◆そして借金は残った

　「失われた10年」バブル後の日本経済はこう呼ばれます。上野原計画の「失われた10年」はまだ終わりません。今後上野原町から「契約違反」を突きつけられる可能性もあり、借金で購入した地代の金利支払いのため、私たちは貴重な税金を失い続けるのです。

近藤正二「いま、中野区は！」私の区政報告no.28  2003年3月3日発行　より

●別表　上野原「スポーツ・学習施設（仮称）」に関する経費の流れ●

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